エンゼルスとマリナーズの選手たちが「人のつながり」を見せた。試合前の国歌斉唱時、各チーム7人ずつが二塁後方に整列。エ軍からは黒人選手のアップトンを中心に、トラウトらも含め42番を背に全員が腕を組んた。アップトンは「試合前に話し合って、何か強いつながりを見せたかった。やって良かったと思う」と心境を明かした。

黒人選手の誕生を記念する「ジャッキー・ロビンソンデー」が例年の4月15日から変更され、今季は8月28日に行われた。5日前の23日、ウィスコンシン州で黒人男性が警官に背後から銃撃される事件が発生。抗議の意味を込め、メジャー30球団中、この日までに21球団が試合をボイコットした。一方で、エンゼルスは試合を行うことを選択。アップトンは「他のチームが立ち上がって抗議をしたことにも誇りに思う。僕らは僕らの形で団結するということを示すことができた」と各球団の判断を尊重した。

試合はエ軍が1点を追う6回、大谷の四球と二盗からチャンスを作り、ベテランのプホルス、この日3安打と固め打ちのアップトンが連続適時打で逆転。チーム一丸で団結し、1点差の勝利を収めた。(アナハイム=斎藤庸裕)