ツインズ前田健太投手(32)が、7回4安打無失点で5勝目を挙げた。防御率は2・43。登板後、投球内容について「ランナーを出してからもうまく抑えることができた。この1勝はすごくチームにとって大きいと思うので、いい登板になりました」と振り返った。

1回から6回までは毎回三振。打者の左右に応じて両サイドにスライダー、ツーシームを散らし、低めにチェンジアップを集めてインディアンス打線に的を絞らせなかった。

リズムの良い投球でチームに流れを引き寄せると、打線は今季ア・リーグのサイ・ヤング賞候補、インディアンス先発の右腕ビーバーから3得点。前田は打線の援護をきっちり守り、リリーフ陣につないだ。

投球だけでなく、守備でも光った。5回、一塁線へのボテボテのゴロをバックハンドで捕球し、そのままトスしてアウト。華麗なグラブさばきを見せた。

また、2点リードの6回無死一塁の場面では一塁走者のリンドアを警戒。2番ヘルナンデスへ5球目を投じる前に3球連続でけん制。3度目は間一髪のタイミングで1度はセーフとなったが、チャレンジで判定が覆り、アウトとした。後続を打ち取り、相手の反撃の流れを食い止めた。

今季3度目の対戦となったインディアンスに対し、7回で7奪三振。94球の力投で、今季7勝無敗だったビーバーに投げ勝った。「とにかく自分が1点でも少なく投げることで、勝つ確率が上がるんじゃないかと思っていた」。二塁を踏ませない投球で、チームを勝利に導いた。

▽インディアンス・アロマー監督代行(前田について) カウントを悪くした時でも、自分の思い通りに投げていた。我々の打線を手玉に取っていた。

○…前田の快投は米メディアでも称賛された。MLB公式サイトは、前所属のドジャースではシーズン終盤で中継ぎに回っていたことについて「最も大事な局面でド軍が前田をローテから外していたことは信じ難い」とし、「プレーオフ初戦の先発候補に大きく名乗りを上げた」と絶賛。地元紙パイオニア・プレス電子版は「ビーバーに勝つために、チームが必要としていたパフォーマンス」とたたえた。