サイ・ヤング賞の有力候補に挙げられるカブスのダルビッシュ有投手(34)がリーグ単独トップの8勝目を挙げ、日本人投手初の最多勝をほぼ確実にした。今季の公式戦最終戦で7回3安打無失点1四球5奪三振の好投だった。

中盤までは万全ではなかった。1、3、4、5回といずれも先頭打者の出塁を許した。それでも、集中力は途切れなかった。最速98マイル(約158キロ)の速球と変幻自在の変化球を織り交ぜ、決定打を許さなかった。最後は9打者連続凡退でフィニッシュ。大量援護にも守られ、94球で役割を終えた。試合後は「全体的にカッターの球速が上がって良かった。今日の速球だったら押せる自信がありました」と、速球主体の投球を振り返った。

メジャー9年目は、12試合に先発し、8勝(リーグ1位)、防御率2・01(同2位)、93奪三振(同3位)、投球回数76回(同2位)と、主要部門で上位にランクインした。最多勝がほぼ確定したことについて「ショートシーズンですが、同じ状況でその中で1番があるのは自信になります」と話した。

今後は、プレーオフでの登板が待ち受ける。過去、ワールドシリーズの出場経験はあるものの、世界一には届いていない。無観客の中でのポストシーズンでもあり、「シーズンが続くと思って投げたい。変に気負ってもいい方向にいかないと思います」と、冷静に意気込みを口にした。