ヤンキースは奇策に失敗し、レイズに競り負けた。ア・リーグ地区シリーズ第2戦、先発右腕の21歳ガルシアに注目が集まったが、ブーン監督は2回から2番手で左腕のハップを投入。「相手の左打者が強力だから」と理由を説明したが、これが裏目となった。ハップは右打者に2発を浴び、2回2/3で4失点を喫した。

救援投手が先発で1~2イニングを投げるオープナーは近年で主流となったが、ガルシアとハップはともに先発ローテーション投手。奇策で勝負に出た同監督は「残念ながら、うまくいかなかった」と淡々と振り返った。第1戦で15安打9得点の打線もつながりを欠き、9イニングではポストシーズン過去最多となる1試合18三振を喫した。

シリーズ1勝1敗のタイとなり、勝った方が王手を懸ける大事な第3戦(日本時間8日午前8時10分)は田中将大投手(31)が先発する。この日はキャッチボール後にブルペン入りで調整。ここ数日で昨季までのノーワインドアップに戻して投球を行い「感覚は良くなってきているし、手応えも感じている」と万全の準備を整えた。

パドレスの本拠地ペトコパークでは09年のWBCで登板経験があるが、メジャーでは初。「こっちに来た時は全ての球場が初めてだったので、そういうことを繰り返して今がある。大きな問題は何も感じてない」と頼もしく話した。ポストシーズンは通算5勝3敗、防御率2・70と安定感もある。「自分のバランスでゲームに入って、プランに沿って、いい投球ができたらと思います」。期待を背に、大事な一戦に臨む。(サンディエゴ=斎藤庸裕)