自分を信じ、何事もやってみる-。エンゼルス大谷翔平投手(26)の本塁打後に「ビッグフライ、オオタニサン!」と叫ぶフレーズで日米のファンを盛り上げてきたFOXスポーツのアナウンサー、ビクター・ロハスさんが、実況役の降板を公表した。

自営のアパレル業に専念することを明かし、「初孫の誕生を控え、家族と多くの時間を過ごし、次の冒険へと準備するために決断した」と自身のツイッターでつづった。

信念がある。「何か挑戦できることがあるなら、それを追い求める」。昨年オフにはエンゼルスのGM職にも立候補した。オーナーや球団社長に直接、連絡を取り「候補として考えて欲しいと伝えた。僕はいろいろな視点から野球を見てきているから」。最終的にペリー・ミナシアン氏が選ばれ、ロハスさんは不採用だったが「非常にいい経験だった。僕は出来ると改めて感じた」と言い切った。

約20年前も「挑戦」から始まった。90年代はエンゼルス傘下のマイナーでプレーし、他球団でブルペン捕手を務めるなど野球の現場にいたが、メディア業へ転身。「経験もないし、大学の学位もビジネスの知識もない。周りは(実況することに)何をクレイジーな、と思っていただろうね」。それでも03年から18年間、「何をやるにしても、自分の能力を疑わないこと」を大事に、仕事を全うした。

19年から「Big Fly Gear」という会社を立ち上げ、次はアパレル業を本職とする。昨シーズン後、自身のビジネスについて「今、非常にうまくいっている。家でも可能なファミリービジネスになった」と話した。経験がなくても出来ると信じ、まずやってみる。自信とチャレンジ精神で、道を切り開いた。