エンゼルス大谷翔平投手(27)が「1番DH」でスタメン出場し、投手として1回無安打無失点と好投。日本人としては19年の田中将大(ヤンキース)以来、2人目の勝利投手となった。打者としては2打数無安打に終わったものの、全投手中、最速の100・2マイル(約161・3キロ)をマーク。前日のホームランダービーに続き、全米中に強烈なインパクトを残した。

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メジャーの球宴で史上初となる投打の二刀流を、日本人の大谷が実現した。今や日米だけでなく、南米やアジアのファンからも注目を浴びる存在。MLB国際部門の副社長ジム・スモール氏は「数字で見ると、台湾では大谷に関するフェイスブックの投稿が、それ以外のものと比べて900%高い」と証言する。世界的にも二刀流への関心が日に日に高まっているという。

本塁打競争で大谷は500フィート(約152メートル)以上の本塁打を6本放ち、参加8選手では最多だった。翌日の球宴では全19投手の中で最速の100・2マイル(約161キロ)をマークした。過去にMLBジャパンの代表を務め、日本に16年間在住していた同氏は「力強さという点でも日本、アジアのファンは彼を誇りに感じていると思う」と語った。

米国や南米諸国を中心に、10カ国の出身者が参加した球宴。15言語、223カ国の地域で放映された。スモール氏は「翔平はこの星で、誰もやったことがないことをやっている。『自分はできる』。それは日本だけなく、世界中どこでも通じる」。自分を信じ続け、道を切り開く。世界に発信された大谷のプレーは、結果だけではないインパクトがあったに違いない。【MLB担当=斎藤庸裕】