腰痛のため、負傷者リスト(IL)入りしていたパドレスのダルビッシュ有投手(35)が12日以来、約2週間ぶりに復帰登板。6回5安打4失点1四球6奪三振と粘れず、8敗目(7勝)を喫した。

同地区の宿敵ドジャースは、サイ・ヤング賞3回の剛腕シャーザーが先発。主導権を握るためにも、先取点を防ぐことがポイントだった。1、2回は3者凡退と好スタートを切ったものの、3回に2ランと適時打、4回にも犠飛で1点を失った。

それでも、終盤は踏ん張った。チームは前日、延長16回に及ぶ5時間49分の長丁場で、パドレスは9投手が登板。ダルビッシュにはできる限り長いイニングを投げることが期待された。結果的に、5、6回は無失点。先発としての責任を果たした。

試合後のダルビッシュは「3~4回ぐらいまで腰が張って気になる部分がありましたけど、最後の2回くらいはいい感じでした」と淡々と振り返った。イニング間に、股関節のマッサージを行うなど、独自に工夫を凝らし、102球を投げ切った。

打線も元気がなく、4連敗。それでも、ティングラー監督はダルビッシュの投球について、「(3失点した3回の)1イニングだけだった。力強く投げ終えたし、復帰して来て心強い」と、あらためてエースの復調に期待を込めた。

ポストシーズン争いで、じりじりと後退し始めたとはいえ、本当の勝負は最後の1カ月。ダルビッシュは「ムチを打ってやりたいと思います。見ての通り、勝てないですし、かみ合っていない部分もある。焦りもあります。でも、みんなでもがきながら、バラバラにならないように気持ちを1つにしていくしかない」とチームリーダーらしく、前を向いた。