【アーリントン(米テキサス州)16日(日本時間17日)=斎藤庸裕】エンゼルス大谷翔平投手(27)が、全開モードに突入した。レンジャーズ戦に「1番DH」で出場し、8回の第5打席で2戦連発となる3号2ランを放った。登板翌日からの2日間で3発は、絶好調だった昨年6月18~19日以来。また、7回には今季初の三盗を決め、3得点で足でもレ軍をかきまわした。5打数2安打3打点で、6試合連続安打と2試合連続のマルチ安打をマーク。一気に波に乗ってきた。

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大谷のショータイムが、アクセル全開となった。2点リードの8回2死二塁、右腕ホランドの初球カーブを捉えた。「ギリギリでしたが、入ってくれて良かった」。右中間へ放ったライナー性の打球がフェンスを越えるまで、懸命に走った。終盤でリードを4点に広げ、試合を決定づける2戦連発の2ラン。主砲がチームを2連勝に導いた。

4連戦の初戦先発で黒星を喫したが、その翌日に1試合2発をマークし、さらに勢いが続いた。登板翌日の2日間に限れば、3発は昨年6月18~19日以来。6戦6発でアーチ量産態勢に入り、月間13本塁打で自己最多を更新して月間MVPを初めて獲得した同6月。絶好調だった時期と重なるような活躍ぶりで、この日もトップバッターとして打線をけん引した。

それだけではない。足でも全開だった。7回無死の第4打席、元ソフトバンクの左腕ムーアと対戦し、三塁へボテボテのゴロを放った。二塁寄りの守備に変えていたレ軍はなすすべなく、無人の三塁線に転がる内野安打となった。その後、暴投で二塁へ進塁し、今度は1死二塁から三盗に成功。連続四球で1死満塁となった後、スタッシの三ゴロで生還した。大谷の足から、1安打でつかんだ追加点に「チームとしてきっちり1点を取るという意識があるので、いい結果につながっていると思います」。

開幕から30打席ノーアーチだったが、ここ2試合で一気に挽回した。もっとも、本人は「元々、そこまで(状態は)悪くありませんでした」とサラリ。11日のマーリンズ戦では、バットに心臓マッサージのようなしぐさで蘇生を促すパフォーマンスを見せ、それ以降4試合で打率3割3分3厘、3本塁打、5打点。技術的な微修正に加え、バットへの懇願(?)が通じたのか、息を吹き返した。一度波に乗った大谷の勢いは、簡単には止まらない。

▽エンゼルス・マドン監督(大谷の活躍に)「ビューティフルだ。あのホームランも大きかったし、盗塁も素晴らしかった。非常にいいタイミングだった」