MLBでも審判を巡る騒動が起こっている。

24日のフィリーズ-ブルワーズ戦で球審を務めたエンゼル・ヘルナンデス審判(60)のストライクの判定に疑問の声が続出した。フィリーズが1点を追う9回1死無走者で打席に入ったカイル・シュワバー外野手(29)が、映像では大きく外角に外れたと見える1球をストライクと判定されて見逃し三振に倒れ、遂に我慢できず猛抗議。バットとヘルメットを地面にたたきつけヘルナンデス審判に詰め寄り、オーバーなジェスチャーを交えてストライクゾーンの位置を怒りの声で主張し、判定への不満を爆発させた。

シュワバーはすぐに退場になったが、見ているファンも同審判に批判的で、ツイッターでは同審判の名前がトレンド入りしたほど。また同審判がこの試合後に車で球場を出る際には、球場の外で待っていたファンから「あんたは最悪だ。あんたが大嫌いだ」とヤジを飛ばすファンがいたことが、米メディアで話題となっている。

米国では審判の判定が分析され、その正確性がデータで公開されている。それによるとMLB審判が正確なストライク判定をする確率は平均で94%だが、ヘルナンデス審判のこの試合の判定は88%の正確性。ボール球48球についてストライクと誤判定した球は11球あり、正確性は77%でリーグ平均の88%より劣っていた。

MLBは、マイナーリーグなどでロボット審判の実験導入を行っており、近い将来にMLBでも導入される可能性がある。フィリーズのジラルディ監督は「ロボット審判導入には反対しない。私は以前から、球審は投手の後ろで判定すべきと思っていた。その方がはるかに正確だ。審判が簡単な仕事ではない。だからロボット審判に賛成する」と話している。