【オークランド(米カリフォルニア州)15日(日本時間16日)=斎藤庸裕】エンゼルス大谷翔平投手(27)が、今季最長の特大弾を放った。

アスレチックス戦に「3番DH」で出場し、1回の第1打席で中堅右へ8号2ラン。前日はメジャー通算100号を達成し、今季2度目の2戦連発で日米通算150号へ王手をかけた。先制の決勝弾でチームは2連勝。開幕から37試合で貯金11以上は、地区優勝を果たした04年以来、18年ぶりとなった。

   ◇   ◇   ◇

ノリノリな大谷が、また打った。1回1死一塁、エース右腕モンタスの95・9マイル(約154キロ)の高め速球をフルスイング。打球速度108・3マイル(約174キロ)で、インパクトと同時に本塁打と分かる当たりに敵地から一斉に歓声が上がった。中堅右への1発は今季最長425フィート(約130メートル)。ホームを踏んでベンチへ戻ると、恒例のカウボーイハットをかぶろうとピョンと跳ね、おちゃめに笑った。

衝撃の記憶がよみがえった。マドン監督は「去年、シースから打ったホームランのようだった」と表現。昨年4月4日、メジャー初のリアル二刀流で臨んだホワイトソックス戦で、シースの初球97マイル(約156キロ)の高め直球を中堅右へと運んだ。打ち返したコース、球種、打球方向が酷似する“デジャビュ弾”。当時はこの1発から上昇気流を描き、月間8本塁打を放った。

前日のメモリアルアーチに続く2戦連発。5月の本塁打数4は早くも4月に並んだ。いよいよ乗ってきた大谷に観客の反応も敏感になった。3回1死三塁、申告敬遠で勝負を避けられると、敵地ファンは応援しているはずのア軍にブーイングを浴びせた。本拠地だけに限らず大谷の打撃に期待する雰囲気は、MVPを獲得した昨年の再現かのようだった。

大谷の先制弾で勢いづいたチームは2連勝。開幕から37試合で貯金11以上は、地区優勝した04年以来18年ぶりとなった。チーム再建中とはいえ、ライバルのアスレチックス4連戦で3勝。マドン監督は「いいシリーズだった。我々のゴールは地区優勝。それが今年の大きな目標だ」とうなずいた。今季、大谷が本塁打を打てば負けない不敗神話も継続。16日(日本時間17日)からは、カード別でもっとも本塁打の多い(13本)レンジャーズとの3連戦が始まる。好調な状態にさらに弾みをつける、101本目のアーチとなった。

【一覧】エンゼルス大谷翔平 2022年全本塁打写真特集>>