エンゼルス大谷翔平投手(27)が、先頭打者アーチで日米通算150号を飾った。

「1番DH」でアスレチックス戦に出場し、1回の第1打席で中越えに433フィート(約135メートル=約148ヤード)の特大9号ソロを放った。前日に続いてトップバッター起用に応え、チームを勢いづけた。今季、大谷が本塁打を打てば負けない不敗神話も継続。決勝弾でカード勝ち越しを決めた。

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大谷の日米通算150号が日に照らされた緑の芝めがけ、センターのど真ん中へまっすぐ飛んでいった。1回無死、左腕アービンの甘く入ったカーブを捉えたボールは文句なしの先頭アーチ。ピンこそないが、柵越えに飛距離十分の148ヤードでグリーンにピタリと弾んだ。打球速度108・9マイル(約175キロ)、角度28度で青空に向かって上がった“ティーショット”。ゴルフ好きのマドン監督は思わず「Pin High(ピン・ハイ)!」とニヤリ。美しい弧を描いた1打を独特の言い回しで絶賛した。

アスレチックス3連戦の最終ホール、いや最終戦、トップでティーイングエリアならぬ、打席に入った。18番ではなく、17番の背番号は、納得顔でベンチに帰ってきた。4万人を超える“ギャラリー”は大興奮。キャディーのようにカウボーイハットを用意する同僚マーシュの前で、ヘルメットを両手で高くかかげ、笑顔で祝福の輪に飛び込んだ。ベンチでは先発の左腕サンドバルを指さし、「打ったぞ~」と言わんばかりのポーズ。拍手喝采のギャラリー同様に、チームのムードを一気に盛り上げた。

最終日を迎える前日から、打線を引っ張った。絶好調だったウォードの負傷で空いた1番の穴。思わぬアクシデントを2日連続のマルチ安打で埋めた。一方で、開幕直後は仲間に支えられる日々が続いた。打撃の調子が思うように上がらず「チームが勝っているので、すごく救われている」と感謝を口にした4月下旬。「逆に言えば、こういう状況が常に続いていくわけではないので、もしそうなった時に自分がいい状態で助けられるように」と秘めていた。1番打者に返り咲く前までチームは4連敗。恩返しとばかりに下降気味の状態をグッと押し上げた。

この日は「リトルリーグ・デー」として開催。かけつけた大勢の子どもたちにも夢を与える1発を贈った。日曜日は28打数9安打の打率3割2分1厘、2本塁打、7打点。かつて、中6日で毎週日曜日に登板する大谷に「サンデーショウヘイ」と名がついたように、今季は打者で躍動した。ゴルフのような第1打は、子ども連れのファミリーを笑顔にさせる、節目のアーチとなった。【斎藤庸裕】

○…右の主砲トラウトは左巻きのフック打球で、大谷と今季2度目のアベック弾を決めた。3点リードの7回無死。右腕グリムのカーブを捉え、12号ソロをフックさせながら? 左翼ポール際へ運んだ。1番大谷、2番トラウトの「トラウタニ」コンビそろい踏みで、チームを2連勝に導いた。

▽エンゼルス・サンドバル(7回1/3を4安打1失点で3勝目。大谷とトラウトのアベック弾に援護され) 花火のようで、最高だね。素晴らしかった。