【アナハイム(米カリフォルニア州)26日(日本時間27日)=斎藤庸裕】エンゼルス大谷翔平投手(27)の腰に異変が出た。ブルージェイズ戦に先発し、6回6安打5失点で今季3敗目。1回にスライダーを投じた際に腰の張りを感じ、万全ではない状態で投球を続けた。直球に威力はなく、平均球速は今季のアベレージから約2・6キロ減速。変化球を中心に攻めたが、ブ軍の上位打線につかまった。腰は軽症のようだが、27日以降の出場は未定。当日の状態をみて判断することになる。

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横浜南共済病院・山崎哲也院長補佐兼スポーツ整形外科部長の話

投手の場合、腰は同じ方向に繰り返し使うので張りなどにつながりやすい。腰背筋の軽疲労が蓄積する。股関節と骨盤、腰椎は連続している。以前に股関節を痛めていると、回旋運動を腰に持ってこないといけなくなる。

経験上、投手が腰痛を訴えるケースは、強度なら腰椎分離症や椎間板ヘルニアが多い。運動できるくらいの痛みや張り程度の軽度なら、骨と骨をつなぐ関節の左右部分にある椎間関節の捻挫などが考えられる。ねじれを繰り返して、関節が左右非対称になると痛みが出る。ブロック注射などが治療方法となる。

上体の強さで投げる欧米の選手に比べ、大谷投手やダルビッシュ投手(パドレス)は股関節が柔らかく、全身をうまく使って投げるイメージがある。それだけに、股関節などが硬くなった際に、連動する腰へダメージが波及した可能性はある。前日の走塁でベースを踏んだ際にバランスを崩したそうだが、こちらが原因なら、すぐに痛みが出たはず。考えづらい。