サイ・ヤング賞3度を誇るメッツのマックス・シャーザー投手(38)が、今季からメジャーで承認されたピッチコム(サイン伝達用の電子機器)を27日のヤンキース戦で初めて使用し、サイン盗みに対し効果があるとした上で「禁止にするべき」と主張した。28日(日本時間29日)、複数の米メディアが報じた。

ピッチコムはサイン盗み防止を目的としたサイン伝達機器で、捕手が前腕に身に付けたリモコンの様なデバイスを操作してサインを送信し、投手がそれを受け取る。多くの投手が使用しており、エンゼルス大谷もサインを聞き取りやすくするためにグラブを耳に当てるしぐさがたびたび見られる。

シャーザーは初使用したヤンキース戦で7回を5安打無失点に抑えた。試合後にピッチコムについて問われ「(サイン盗み防止の)効果はある。ただし、禁止にするべきだと思う。野球の試合の中に持ち込んではいけない。サイン盗みは野球の一部。個人的には、複雑なサインを使うことに自負があったし、それが他の投手よりもアドバンテージになると考えていた」と主張。さらに「テクノロジーを導入したことで二塁走者はサインを盗めなくなり、投手は難解なサインを使用するアドバンテージもなくなる。サインを盗もうとすることは野球の一部なんだ」と繰り返した。

ピッチコムは現在多くのチームやバッテリーで使用されており、米メディアによれば評価は上々だという。シャーザーは次回以降の使用について「わからない。引き続き検討はしていくから、使うかもしれない」と話すにとどめた。今季は13試合で6勝2敗、防御率2.09を記録しており、通算200勝まであと4勝に迫っている。