試合前のセレモニーは、今年も粋な演出にあふれていた。

殿堂入りしたレッズのOBケン・グリフィー・ジュニア(52)が、父グリフィー・シニア(72)と外野奥のとうもろこし畑から登場。「ねぇ父さん、キャッチボール、やりたくない?」と語りかけて始まった。映画内でケビン・コスナーが演じたエンディングの名シーンを再現。MLBでも名高い親子がキャッチボールする姿は、見る人々に感動を与えた。

カ軍はリーグ優勝を果たした29年、レ軍は世界一に輝いた19年の復刻ユニホームでプレー。全米中継した米FOXは当時のレトロな服装で実況放送。殿堂投手のジョン・スモルツ氏はこの日朝に父を亡くしたが、「私がこの試合にいなかったら彼に怒られる」と予定通り解説を務めた。7回裏に「私を野球に連れてって」が流れた際には、カ軍名物アナの故ハリー・ケリー氏がホログラムでよみがえって歌った。

◆フィールド・オブ・ドリームス 1989年公開の映画(日本公開は90年)。主人公キンセラを演じたコスナーは不思議な声を聞き、トウモロコシ畑を切り開いて球場を造る。そこに、ホワイトソックスで八百長に関与したとして永久追放されたジョー・ジャクソンが「Is this heaven?(ここは天国か)」の名セリフで現れ、亡き名選手たちもよみがえり、試合を行う。