侍ジャパンを率いる栗山英樹監督(61)が試合を観戦し、エンゼルス大谷翔平投手(28)の活躍ぶりや来春開催されるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)について現在の心境を明かした。

日本ハム時代に同監督の下で二刀流の礎を築いた大谷は、来春のWBC出場が期待される。この日は「2番DH」で4打数無安打2三振だった。メディアの取材に応じた栗山監督の主な一問一答は以下の通り。

 

-前回大会のWBCは故障で大谷が辞退。今回にかける気持ちは強いと思うが

「前回17年の時っていうのは僕は(日本ハムの)監督をやりながら、いろんな方向性を探りましたけど、体のことも含めて、本人の思いっていうのもその時は理解しながらということでした。WBCとか、そういうことだけではなくて、新たな大きな壁に向かって、どれだけ自分が、それを打ち破れるのかっていうのをずっとやってきた選手なのでね。他の国の選手たちもある程度、今回は本当にいい選手が出てくるような感じもあるし、すごく、本人も楽しみにしているだろうし、これは本当に僕がジャパンの監督ということだけではなくて、彼を見ていると、そういう大きなものに立ち向かっていくっていう姿はいつもある中で、本人がどういう風に思っているかはちょっと分からないですけどね」

-実際に、メジャーの試合を見て

「球場のスタンドにいて、ファンの皆さんが本当に楽しみに彼の動きを見てくれているというのが一番印象に残ったし、そういう選手を1人でも多く増やしたいと思ってやってきましたけど、本場の野球アメリカで、これだけ多くの方が喜んでくださっているというのは、すごくうれしかったです」

-二刀流・大谷の魅力とは

「これは僕がどうのこうの言うことではないし、皆さんが一番理解していると思うし、ファンの皆さんも野球ファンの皆さんも一番理解しているところだと思う。そういう風な思いは、僕も120%感じているので、それも踏まえて、どういう風にしていくのか、これから考えていきます」

-今回のメジャー視察で得た手応えは

「魂を届ける作業だと思っているのでね。本当の意味での人選は帰ってからだと思ってますが、ただ、久しぶりにメジャーを実際に見に来て、思った以上に、中継で見ていてピッチャーのレベルがメジャーも上がっているっていうのは分かってましたけど、ちょっと本当にいろいろ考えないと難しいなというのを思った何試合かだった。それを踏まえてこれから人選しっかりしていきます」

-米国代表。ハーパーが参戦を表明

「いやーもう、いち野球人としてはね、最高ですね。個人的にはすごく楽しみだし、そういう選手たちが本気になってぶつかってくれるなら、こんなにやりがいのあることはないって、選手たちも思ってくれるんじゃないかなと。この大会が世界最高の選手達が集まるっていう風になってくれることが、日本だけでなくて、野球のあり方が本当に問われる時代になっていて、そういう意味でもWBCは大事なんだっていうのは、選手たちにも訴えてますけど、米国もそうだと思うんですね。これからメジャーリーグがさらに続いていくように、っていう時だと思うんでね。それを選手が感じて、スター選手たちも出るという表明もしてくれている訳ですから、それに我々も応えられるようなチームを作らないといけないし、日本の選手もそういう思いにしっかり応えてくれると信じています」

-日本チームに秘策は

「秘策はないです。日本らしい野球をすれば、秘策を使わなくても勝てる可能性はあると思っている。秘策って言うと、相手が完全に上っていう風になってしまうので、そうではなくて、特にあの時期にやる野球なので、まだ、いろんな考え方もあるはずだし、日本のピッチャーの精度っていうことを考えれば勝負はできるという風に思っているので、五分と五分でぶつかりあって、日本の野球ってこんなに面白いんだなって、すごいんだなって子どもたちに伝えられように、しっかりやっていきたいです」

-代表メンバーを決めるのに大切なことは

「もちろん第一条件は本当に魂なんでね。日本の野球のために、次の世代のために野球やりますよっていうね、日本の野球を示しますよってね、それが一番なんですけど。ただ、その魂はみんな持っていてくれると思うので、その上でどういうバランスで、どういうチームを作ると一番、どういう可能性が勝ちやすいのか、これがやっぱり、ピッチャーを中心にしっかり守るという、試合を作れるという前提の中でいくというのが必要だとは思いますけど。その中でどういう風なメンバーなのか、全員足を使える選手で逆にいっちゃうのか、真逆でいくのか、いろんな考え方あると思いますけど、もう1回、なんとなくっていう、いい選手から選ぶというのはやめた方がいいかなという風には思ってます」