【アナハイム(米カリフォルニア州)15日(日本時間16日)=斎藤庸裕】エンゼルス大谷翔平投手(28)が、新球ツーシームを披露した。マリナーズ戦に「2番DH兼投手」で出場し、6回7安打2失点。勝敗はつかなかったが、進化が見えた投球となった。

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3回1死、2番フランスへの初球は96・6マイル(約155キロ)でシュート気味に動き、芯を外して三ゴロに打ち取った。4番ハニガーにも初球、内角高めに大きく外れてボールとなったが、右打者の内角へ食い込む新球ツーシームを披露。97球のうち6球、配球に組み込んだ。

「1個(球種が)増えた方がいいというか、別にいらないボールではないですし、必ず必要なボールでもないですけど、楽しく投げるために必要かなと」

変化球は大きく分けてスライダー、スプリット、カットボール、カーブの4種。ブルペン投球や登板間の調整で試投してきた新球に「ちょこちょこ、遊びで投げたりしてましたし、いいアクセントになってるかなと思います」と手応えを口にした。配球にバリエーションが加わるだけでなく、1球で打ち取れれば球数の減少から投球回の増加につながる可能性もある。

残るシーズンは先発5人で回し、基本的には中5日となる予定だ。「そこ(登板間隔)は監督のマネジメントというか、ピッチングコーチもそうですけど、自分の体調と相談しながらやりたいと思います」。順調なら8度の登板機会で、平均5回2/3以上を投げれば規定投球回をクリアできる。史上初の投打でダブル規定到達へ、新球が強力な武器となりそうだ。

◆大谷の今季球種割合

全体=1861球

スライダー=36%(667球)

直球=33%(618球)

スプリット=14%(259球)

カーブ=10%(189球)

カットボール=7%(122球)

ツーシーム(シンカー)=0・3%(6球)

【注】スタットキャストによる分類

○…試合は最終回に4失点し、エンゼルスが完敗した。8回まで同点で粘っていたが、9回にマリナーズの足を絡めた攻撃と挟殺プレーのミスなど守備の乱れから失点を重ねた。打線は9回裏、3者凡退。投打がかみ合わず、連勝は2でストップした。ネビン監督代行は最終回の失点について「ひどかった。スローイングで悪い判断もあったし、よくなかった」と渋い表情だった。