今季のワールドシリーズでは、米国生まれの黒人選手が72年ぶりにゼロとなる見通しであることが話題となっている。

1947年にジャッキー・ロビンソン(ドジャース)が近代メジャー初の黒人選手となって以降では、ヤンキースとフィリーズが対戦した1950年のワールドシリーズのみが黒人不在だった。

今季に対戦する両チームはホセ・アルテューベ二塁手(アストロズ)やジーン・セグラ二塁手(フィリーズ)のようにラテン系の選手は多いが、米国出身の黒人選手は28日のシリーズ初戦前に発表される26人ロースターに入らない見込みだという。

ニグロリーグ野球博物館のボブ・ケンドリック館長は「アフリカ系アメリカ人の人口が多い2つの都市のチームに黒人選手が1人もいないというのは、いささか驚き」とし、「その事実は、黒人の子供たちが最高レベルの環境で自分たちの夢をかなえる機会を創出するためにやるべきことがたくさんあることを教えてくれる」とコメント。それでも「私は楽観的に考えている」と状況が改善していくことに前向きな姿勢を見せた。(AP)