大谷の代理人ネズ・バレロ氏(60)が、年俸の繰り延べ支払いが大谷の発案であると明かした。12日、米スポーツイラストレーテッド誌電子版の独占インタビューに答えた。また、関係者によると、節約できた資金は補強のため使うことを契約に盛り込むよう求めたという。

大谷は先月、バレロ氏に尋ねた。「もし自分が給与をすべて繰り延べれば、チームが競うため、より良いチャンスとなるか」。バレロ氏は、最低年俸さえクリアすれば、繰り延べる額に上限がないと発見した。「彼が給与の大半を繰り延べるアイデアを考えついたが、これまでトップのスポーツ選手は誰もやったことがない。彼が提案した時、私は調査した。似た事例はなかった」と断言した。

年俸の繰り延べ支払いは、15年にシャーザーがナショナルズと契約した際に50%で行ったものなどがある。バレロ氏は「20%、30%程度のものはあるが、これほどのものはない。私は7年間彼と一緒にいる。今は彼が何をしても驚かない。彼は常に他の誰もたどらない道を進むから」と大谷のパイオニア精神をたたえた。「彼のような選手はいない。だから、このような契約はないのだ」とした。

繰り延べ支払いにより、来季の年俸はわずか200万ドル(約2億9000万円)。6800万ドル(約98億6000万円)浮いただけでなく、ぜいたく税の計算上では、ド軍が使える総年俸枠は2400万ドル(約34億8000万円)増えた。バレロ氏は明確に答えなかったが、関係者によると、大谷は浮いた資金をチームの強化に使うことを約束する文言を契約書に入れることを求めた。勝利への執着が異例の契約となった。