ドジャース大谷翔平投手(29)の代理人ネズ・バレロ氏(60)が15日付のUSAトゥデー電子版で、スポーツ史上最高額となる10年総額7億ドル(約1015億円)の契約にこぎ着けるまでの経緯を激白した。

大谷が今季終了後にFAとなることを最初に決断したのは、今春のキャンプ中だったという。エンゼルスに、非公式ながら「シーズン中は契約交渉をしない」と伝え、FA権を得る前に延長契約を結ぶ選択肢を排除した。

バレロ氏は「それでもエ軍はショウヘイにとって、6年間所属してきた特別な球団。だから我々は、最後の最後まで契約の可能性を残した」と振り返った。だがモレノ・オーナーが大部分が後払いという異例の契約形式を拒否。エ軍は他の選手と後払い契約を結んだことがなく、大谷ともその方針は変えなかった。

契約交渉中には「ブルージェイズと契約合意に近づいた」「プライベートジェットでトロントに向かう」などの怪情報が流れフライト追跡騒動も起こった。バレロ氏は「あんな見境のない報道合戦は初めて経験した」と振り返り、ドジャース・ロバーツ監督が大谷と会ったことをウインターミーティングで暴露した騒動には大谷と2人で笑っていたと明かした。球団が交渉過程をリークしたらペナルティーを与えるとの報道も出ていたが「ばかげている。私がそんなことを口にしたことはない」と否定した。

球団を決めたのは、大谷がインスタグラムで発表する前日の現地8日午後5時、大谷の自宅で。「ドジャースと契約したい」と伝えられた。翌9日朝、バレロ氏はド軍のフリードマン編成本部長に電話で決断を伝え、最終候補に残った他の4球団にも断りの電話を入れたという。