プロ野球で昨季途中から運用が始まった「ブロッキングベース」が、今季から米メジャーでも導入されることとなった。日本野球機構(NPB)の森健次郎審判長(60)が11日、明かした。

「ブロッキングベース」は、走者が進塁または帰塁の際、野手の不可抗力により塁を完全に塞がれ、その塁に触れることができなかった場合、走塁妨害とはしないが走者の不利益を取り除き、進塁または帰塁を試みている方向の塁の占有権を認めセーフとするというもの。従来は、野手のブロックが不可抗力によるものと判断されれば、走者アウトだった。

日本のプロ野球がメジャーを動かした形。森審判長は「初めてのことではないか」と感慨深げだった。「MLBも、ブロッキングベースを数年前からマイナーでテストしていたが、踏み切れていなかった。昨年、日本が導入した際、MLBは驚いていた。今回、MLBが踏み切ったことで、おそらく他の国もならっていくのではないか」と韓国、台湾、オーストラリアなどのリーグでも運用が始まるとみた。

運用変更は、昨年8月18日のDeNA-阪神18回戦(横浜)のクロスプレーがきっかけ。9回に阪神熊谷が二盗を試みた際、捕手からの送球を捕ったDeNA京田の足が二塁ベースを完全にふさぐ形になった。セーフ判定がDeNAのリクエストでアウトになった。審判団は「故意ではない」として、京田の走塁妨害を認めなかった。阪神岡田監督が猛抗議し、シーズン途中での運用変更へとつながった。