ドジャース山本由伸投手(25)はメッツ戦に先発し、6回4失点(自責3)9奪三振の内容で、勝敗はつかなかった。2回、3回に各2失点。4回も1死二、三塁とKO寸前だったが、2者連続三振に仕留め、6回まで何とか踏ん張った。

今季最長の6回を最多の99球、9奪三振。「6回まで行けたというのは前回よりよかったです。いろんな違いの部分では慣れてきていると思います」。4回のピンチは「こっちへ来て一番安定はしていた」というスプリットを打者2人に6球続けて脱出。好感触も口にした。

一方、他球団の山本対策が着実に進んでいる傾向も垣間見えた。特に、昨オフの「山本争奪戦」でオーナーのスティーブ・コーエン氏が極秘来日してまで会食したメッツは、山本の情報を正確に把握。速球は高め狙い、カーブは中堅から逆方向など各打者が意図を感じさせるスイングで追い詰めた。打線が追い付き山本の黒星は消えたものの、攻略への執念は明確だった。

まだ5試合目。ロバーツ監督は「6回を投げたのは大きい。彼は三振を取るし四球は多くない。学習している段階だ」と心配していない。山本も「いい球は増えてきていると思います」と前向きな姿勢は変わっていない。だが高年俸を含め周囲からのハードルは高いだけに、そろそろ「助走期間」から次の段階へ移行したいところだ。【四竈衛】