カブス今永昇太投手(30)が26日(日本時間27日)、敵地ボストンでのレッドソックス戦に先発し、メジャーデビュー5戦目で今季最長の7回途中5安打7奪三振の1失点。球団初のデビュー5戦で4勝無敗、日本人メジャー史上4人目のデビュー4連勝を飾った。昨オフの移籍の際、有力候補だったレ軍相手に好投し、今永登板日は5戦全勝となった。

縁のあるレ軍の敵地でも、終始、腰の据わったプレーを披露した。初回には投手ライナーを好捕し、4回には一、二塁間へのセーフティーバントを逆シングルで捕球すると、手首を返してグラブトス。10者連続凡退に仕留め、つけいるスキを与えなかった。「2日前に体重移動とかでひらめいた動きがあり、それがうまくいった。リードしている状態で、余裕を持って投げさせてくれたチームメートに感謝したい」。打線の効果的な援護もあり、7回途中まで88球。余力十分でマウンドを譲った。

複数球団で争奪戦となった昨オフ、レ軍も有力候補に挙げられていた。コーラ監督らともオンラインで交渉。「僕自身の投げる球だとか、すごくユニークなので米国でもそういったことを発揮してもらいたいと言ってもらいました」と好印象が残る球団だった。最終的には、交渉期限寸前に猛アタックしたカ軍入りを決断。「周りの人の意見と自分の意見をすりあわせた結果、カ軍になっただけなので、縁を頂いて僕もうれしいです」。あくまでもビジネスとはいえ、強い興味を示したレ軍への感謝は、今も忘れていない。

歴代の日本人選手が苦心してきた異文化への対応を、まったく感じさせない投球で、防御率はメジャー2位の0・98。「日本人スタッフのサポートもありますし、投手コーチも選手ファーストの選手目線で言ってくれます。すばらしい通訳がいるので…」。2日前の24日、ド軍大谷が新通訳を持ち上げたフレーズをなぞるかのように、今永はちゃめっ気たっぷりに笑った。