【グレンデール(米アリゾナ州)20日(日本時間21日)=斎藤庸裕】ドジャース山本由伸投手(27)が、2年連続の開幕投手へ万全の状態でオープン戦の最終登板を終えた。パドレス戦に先発し、5回3安打無失点。7奪三振で最速97・4マイル(約157キロ)をマークした。全球種を効率よく投げ、5回68球でまとめた。目標の1つでもある日本人初のサイ・ヤング賞へ、ド軍移籍後から取材を続ける斎藤庸裕記者が「Nobu's Eye」で、イニング増を見込める投球術を分析した。

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山本は意図通りに打者を料理した。5回1死一塁、8番ミランダへの初球、内角ギリギリの速球でストライク。体に近いコースを意識させ、2球目は外角低めカーブで三ゴロ併殺に打ち取った。「ゴロを打たせたいなと。狙っては投げましたけど、偶然うまいこといったので、なんとかそのいい感覚をつかんでいけたら」と謙虚に語った。思い描いた通りの、理想的な配球と制球。5回を70球に満たない省エネ投球で終えた。

昨季に続き、日本人初のサイ・ヤング賞獲得が期待される。記者投票において勝ち星、防御率、WHIP(1イニングあたりに与える走者数)に加え、指標の1つになり得るのが投球イニング数だ。昨年、同賞に輝いたパイレーツのスキーンズは32試合で187回2/3、2位につけたフィリーズの左腕サンチェスは32試合で202回、3位の山本は30試合で173回2/3だった。「1年やって、そこの数字がどれだけ増えるかは分からないですけど、1試合1試合変わらず、集中してやっていけたらいいなと」。まずは今季も、年間通して安定したピッチングを続けることが前提となる。

基本的には先発6人制を採用するド軍では、登板数は30試合前後が目安となる。5人のローテーションで固める他球団の先発陣とは必然的に差がつく。ただ、1試合あたりのイニング数を稼げれば、登板数の差を補える。そのためには球数をなるべく減らす必要がある。この日は5回1死の場面だけでなく、4回無死から四球を与えた直後、初球スライダーを低めに制球し、ゴロを打たせて注文どおりの遊ゴロ併殺に打ち取った。ロバーツ監督は「非常に効率的だった」と称賛。テンポの良さが際立った。

意図通りに打ち取るには“精密機械”とされる山本の制球力があってこそでもある。7三振のうち見逃しは3つ。全て、外角低めへ制球した。「いろんなボールをいろんな場面で使うのを試せたので、それが一番良かったかなと思います」。全球種をほぼ、思い描いたようにコントロールできる。それが山本の最大の強み。日本人初の偉業へ、実現可能な道筋を見せた。

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