【メサ(米アリゾナ州)22日(日本時間23日)=四竈衛】アスレチックス傘下のマイナーに所属する森井翔太郎内野手(19)が、各球団のプロスペクト(有望選手)によるエキシビション試合「スプリング・ブレークアウト」のブルワーズ戦に、「7番二塁」で先発出場。2打数2安打1打点と活躍した。本格的な「二刀流」としてプレーする2年目へ向け、順調な姿を披露した。

まだあどけなさが残っていた1年前とは、幹の太さを感じさせる体格だけでなく、身のこなし、表情もすっかり大人びていた。若手選手の登竜門と言われる同イベントには、昨年に続き2年連続出場。ア軍のプロスペクト13位にランクされる森井は試合後、笑みを絶やすことなく、ひと言ずつ、丁寧に言葉をつないだ。「去年は途中出場だったんですけど、浮足立っているというか、余裕がないという感じ。今日はいい感じで試合にも入れましたし、より落ち着いて試合に入れたと思います」。

1年間とはいえ、米国でもまれた成長度を打席で証明した。2回無死二、三塁で迎えた第1打席。投手のグラブをはじく強襲安打を放ち、1打点を挙げた。4回には、時速96・4マイル(約155・1キロ)の内角高めの速球を振り抜き、右翼線へ三塁打を放った。「自分の打撃ができたとは言わないですけど、いい形だったかなと思います」。当てにいくのではなく、力強く振り切るスイングは、米国流が身に付いた一端だった。

渡米1年目の昨季は春先に、右肘の違和感があったため、公式戦の登板機会はなかった。迎えた今季、昨季のルーキーリーグから1Aストックトンへ昇格。本格的に「二刀流」としてプレーする。すでに短いイニングながら実戦投球を開始しており、公式戦開幕後は週に1試合ほどのペースで登板するプランが立てられている。

戸惑いの多かった1年目で、心身ともに変わった。体重は4キロ増の約92キロ。ユニホームも1サイズ大きくなった。「1年前と比べたら、180度、自分の性格から打ち方から投げ方から全部変わってるかなと思います。そんなしゃべるタイプでも、ふざけるタイプでもなかったんですけど、よりふざけることを言うようになりました」。屈指の進学校で文武両道の優等生だった「殻」を、ごく自然にそぎ落とし始めたその表情は、どこかノビノビとした充実感に満ちていた。

世界が注目したWBCにも、刺激を受けた。「そこを見たら足をすくわれる」と自戒する一方、目標とする場所に変わりはない。「まず、そのレベルの選手になるというのが大事。やるべきことをやって、実力があれば上がっていける世界。実力がなければ上がれないですし、分かりやすいというか。実力を付けるだけだなと思います」。幾多の選択肢の中、自ら踏み出したメジャーへの道。大志を抱く19歳の抱負は、明瞭で、力強かった。

◆森井翔太郎(もりい・しょうたろう) 2006年(平18)2月15日東京生まれ。桐朋学園小時代、武蔵府中リトルでプレーを始め、全国大会で2年連続優勝。桐朋高では「二刀流」として活躍し、打者として高校通算45本塁打、投手として最速153キロをマークするなど、ドラフト上位候補として注目された。25年1月、アスレチックスとマイナー契約を結んだ。25年は、野手として43試合に出場し、打率2割5分8厘、3本塁打、27打点。身長180センチ、体重92キロ。右投げ左打ち。