岡本が日米通算250号も、盟友対決は菅野に軍配-。メジャー2年目を迎えたロッキーズ菅野智之投手(36)が30日(日本時間3月31日)、敵地でのブルージェイズ戦で今季初先発。巨人時代の同僚、岡本和真内野手(29)との初対決がメジャーで実現した。結果は、1三振1四球。菅野は白星こそつかなかったが、5回途中1失点と好投。岡本はブ軍大敗の中、あらためて存在感を発揮した。

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打席に歩を進める岡本のシルエットを、マウンド上の菅野は冷静に見つめていた。18・44メートルの間で、軽い会釈もなければ、目を合わせるわけでもない。互いに意識しているからこそ、この舞台で無用な意思表示は必要なかった。

敵地へ乗りこんだ立場とはいえ、ちょうど1年前に同球場でデビューした菅野は、自らの登板日が確定した時点で特別な思いを感じていた。リーグが異なる両軍の直接対決は、年間3試合。中4、5日で先発する菅野が、岡本と対戦する可能性は決して高くない。「何か運命を感じます」。個人的な感傷だけでなく、日本で見守るファンの思いを胸に、心地よい気持ちの高ぶりを秘めていた。

初回を無失点でスタートすると、続く2回は、岡本との対戦を前に、きっちりと2死走者なしの状況に持ち込み、真っ向勝負できる舞台を整えた。たとえ、1発を浴びたとしてもソロ。手加減する気など、みじんもなかった。「特別な感情があった。絶対に抑えたいと思った」。いつも以上に腕を振り、容赦なく、速球で内角高めをえぐった。5球目には、この日最速94・7マイル(約152キロ)をマーク。最後はフルカウントからカットボールでタイミングを外し、空振り三振に仕留めた。

12年ドラフト1位の菅野と14年同1位の岡本は、投打の主軸として巨人を支えてきた。在籍中、日本一には手が届かなかった悔しさは消えていない。その一方で、ともに自らの野球人生を悔いなく全うするためにも、メジャー挑戦への道を探り続けていた。コロナ禍の20年オフ、一時は米挑戦を試みながら断念し、昨季から再挑戦した菅野にとって、信頼する後輩とメジャー舞台で対戦することは「運命」と表現するほど、感慨深い時間、空間だった。

5回途中で交代し、菅野自身は白星を逃したものの、ロ軍は中盤以降の猛攻で今季初勝利。「いいピッチングができたと思う。ある程度、満足している。いいスタートが切れた」。常日頃、自らに厳しいベテランが珍しく納得の言葉を残すほど、充実感の残る初登板だった。