メジャーリーグは昨季まで本塁打の判定に限定されていたビデオ判定が、今季からストライク、ボールの判定以外ほぼすべてのプレーに適用されることになった。監督が審判にビデオ判定を求める「チャレンジ」と呼ばれる新制度が導入された。

 日本球界が、チャレンジ制を導入した米国に追随することはなさそうだ。今季から本塁打以外に外野フェンス際の打球にもビデオ判定の適用範囲を広げたが、12球団の代表者が集まる実行委員会では「これ以上広げると際限がなくなる」と、慎重な意見が多い。日本ハム島田球団代表は「最後はストライク、ボールにまで及んでしまうのではないか。審判のミスも含めて野球なのではないか。それが面白みの1つでもあるのではないかと思います」と話す。

 本部で試合映像を集中管理しているMLBのように多額の経費はかけられない。また、近年は地方球場での公式戦開催も増えている。こうした事情も踏まえ、日本野球機構(NPB)は新たな試みを始めた。昨年オフにアンパイアスクールを開設し、4人を研修審判員、育成審判員として採用した。審判員の技術向上に力を注いでいく方針だ。