2015年プロ野球シーズンが3月27日に開幕します。今年はどんな選手がブレークしチームを引っ張るのか? 日刊スポーツのプロ野球担当記者が注目する選手を投手編、野手編、外国人選手編として紹介します。

 第2回はセ・リーグ投手編です。

 ▽巨人 高木勇人(25=三菱重工名古屋)

 カットボールとスライダーの中間で、独特の軌道を描く変化球「高木ボール」は首脳陣も絶賛。ルーキーながら抜群の安定感。おっとりとした性格ながらも、内角をえぐる強気の投球で開幕ローテ入りを獲得。黒豆が大好物なことから愛称は“黒豆王子”。大黒柱の内海が故障で開幕に間に合わない投手事情で、若武者の活躍は欠かせない。【巨人担当 細江純平】

 ▽阪神 岩本輝(22)

 キャンプからめざましい成長を見せる5年目右腕。オープン戦3試合に登板し、12回 2/3 を失点3(自責点1)で防御率0・71と安定した結果を残し、開幕ローテ5番手を手にした。13年も開幕ローテ争いの中、3月中旬に離脱。その経験から「まだ(開幕が)どうなるか分からない」と危機感を持って1試合1試合を抑えてきた。プロ2年目12年に挙げた2勝以来の白星を目指す。【阪神担当 宮崎えり子】

 ▽広島 大瀬良大地(23)

 昨季の新人王の向上心はとどまるところを知らない。オフはエース前田とともに自主トレを行い、体は一回り大きくなった。加えて「逃げていくボールのイメージが強いと思うので」と新球習得に取り組んだ。鋭く落ちるフォークは空振りを奪えるボールになり、黒田からも助言を受けたツーシームは左打者に有効に使えるようになった。精神的にも余裕が生まれ、目標は背番号の14勝だ。【広島担当 池本泰尚】

 ▽中日 大野雄大(26)

 入団5年目の本格派左腕。昨季はプロ初完封を記録。2年連続2桁勝利をマークした。今季は本格的にフォークに取り組むなど変化球の精度を上げて投球の幅を広げた。オープン戦でも抜群の安定感で左のエースとして存在感を発揮。中日の沖縄キャンプを視察した侍ジャパン小久保監督も「あの世代ではいないからね」と期待。貴重な20代の先発左腕として日の丸への期待も高まる。【中日担当 桝井聡】

 ▽DeNA 井納翔一(28)

 昨季はチーム最多の11勝をマーク。開幕投手を務める久保に続くエース格として3年目のシーズンに臨む。3月の侍ジャパンの強化試合(対欧州代表)のメンバーにも選出されるなど、実力は球界でも認められつつある。「今季はいかに少ない球数で抑えられるか」と、頭脳的な投球で完投数増にも挑戦する。DeNA史上初のCS進出へ、投手陣をけん引する。【DeNA担当 為田聡史】

 ▽ヤクルト 由規(25)

 右肩手術からの復活を目指す。2月22日の日本ハム戦では、12年3月20日の巨人戦以来1069日ぶりにオープン戦のマウンドに上がった。2度目の実戦となった3月11日のオリックスとのオープン戦では、3回を1安打無失点。前回登板に続き2試合連続無失点と結果を残した。「不安も解消されつつあります。ぜひとも1軍のマウンドで投げたい」。11年9月3日の巨人戦以来の1軍マウンドを目指す。【ヤクルト担当 栗田尚樹】