ソフトバンク中田賢一投手(32)が2敗目を喫した。西武相手に8回4失点。粘りの投球をみせ、今季初完投したが、最後まで打線の援護がなく、連勝は3でストップした。

 立ち上がりにつまずいた。初回、先頭秋山に2ボールから高め直球を左翼席に運ばれると、続く栗山にも真ん中に甘く入った直球を右越えソロ。先頭打者本塁打も、2者連続本塁打を許したのもプロ11年目で初めてだった。「逆に気持ちを切り替えていこうと思った」。その後はコースを意識した丁寧な投球を続け、投手戦に持ち込んだが、終盤の8回に2失点。笑顔なき今季初完投となった。

 「立ち上がりはボールが高くなり、ああいう形で2点取られてしまったので、何とか先発として長い回を投げようと思っていた」

 それでも工藤監督の期待は変わらない。「(4回0/3、4失点だった)この前より良かった。ああやって投げてくれれば試合もつくれる。また、次回頑張ってくれる投球をしてくれた。先発には長いイニングを投げてほしい。8回を投げれば9回まで勝ちの権利が残るし、何とか勝ちをつけてあげたかった」。先発の軸の1人だけに、今季初白星をつかんでほしい思いが強かった。

 中田も8回を1人で投げ切ったことを前向きにとらえた。「これを次につなげていきたいし、つなげないといけない」。先発の座を明け渡すつもりはない。次こそ自身の15年初白星を挙げてみせる。【福岡吉央】