大敗の中に一筋の光が見えた。今季初登板の2年目の左腕阪神山本翔也投手(26)が、今季初登板で3者連続三振を含む2回無失点の快投を演じた。7点ビハインドの6回。昨年7月31日ヤクルト戦以来、プロ3戦目のマウンドに上がった。打席には、この日2本塁打の中村だ。だが、自信に満ちた26歳は動じなかった。

 キレのある138キロ直球で空振り三振に取ると、続くメヒアも内角直球で突き、見逃し三振。最後は今季9本塁打の森を三振に取り、虎ファンの留飲を下げる3者連続三振に斬って見せた。「点数もあったので相手打線も大きいのを狙ってると思った。間違えないようにと思って投げました」。続く7回も無安打に抑え、毎回安打を放っていた獅子打線を再び眠らせた。

 ウエスタン・リーグで24回1/3を投げ、失点はわずかに3。11試合連続無失点の実績を引っさげ、26日に今季初昇格していた。「ファームでいろいろやってきた経験というのが生きて良かったかなと思います」。

 好投を見せても、それでも満足していない。「まだまだ甘い球もまだありましたし、反省するところを挙げたらきりがないんで。次もっと頑張ります」。福井出身で社会人の王子からドラフト5位で入団。貴重な中継ぎ左腕として、居場所を確保する。【梶本長之】