阪神マウロ・ゴメス内野手(31)の来季残留が微妙であることが12日、分かった。今季公式戦は好不調の波が激しく、打率2割7分1厘、17本塁打、72打点にとどまった。3部門で来日1年目の昨季成績を下回り、打線の破壊力不足の一因となった。

 長打力不足が懸念されていた打線のなかで、開幕前からゴメスの本塁打が求められていた。和田監督が「30発は普通に超えてくるんじゃないか」と期待し、ゴメス自身も意欲を示していたが、思惑通りに量産できなかった。7月末には中村GMが渡米して大砲候補を調査。チームはパンチ力のある助っ人を加える必要性があり、来季残留となるかは不透明な状況だ。

 すでに来日6年目のマートンが来季の戦力構想から外れており、退団が決定的だ。また、2年連続セーブ王に輝いた呉昇桓も今季が契約最終年で、去就は不透明になっている。長らく先発ローテーションの柱に君臨するメッセンジャーと今季途中から加入したぺレスは残留する方向だ。

 ゴメス自身、これまでも「長い間、タイガースでプレーできればいいと思っているんだ」と話してきた。昨季は打点王に輝くなど、2年連続で不動の4番を務めてきた。前日11日のCS巨人戦では先制アーチを放つなど、存在感を示してきた。退団すれば、打線の柱を失うことになる。チーム構想の根幹でもあり、ゴメスの去就について、球団は慎重に見極めることになりそうだ。