球界を揺るがす不祥事にさらなる関与者が発覚した。巨人福田聡志投手(32)の野球賭博問題を調査する日本野球機構(NPB)の調査委員会(大鶴基成委員長)は21日、都内で中間報告を行い、巨人の笠原将生投手(24)と松本竜也投手(22)も野球賭博を行っていたことを発表した。調査委は1カ月以内に、3選手の処分案も含めた最終報告を行う。

 携帯電話のメールから新たな関与が明らかになった。調査委は提出された福田、笠原、松本竜の端末データを解析。福田に加え、笠原の野球賭博と野球賭博常習者との交際、松本竜の野球賭博が発覚した。

 調査委の大鶴委員長は「3選手ともメールを削除しておりましたが、それを再現し、何月何日の何時何分にどういうやりとりを誰としているのかを踏まえて、その上で(各選手に)ヒアリングをするという作業」と調査方法を説明。メールなどのやりとりから、福田に野球賭博を持ちかけた知人A氏を野球賭博常習者と認定した。福田にA氏を紹介した笠原は、同氏らとプロ野球を対象に賭博をし、さらに野球賭博常習者の別の知人B氏との間でも同様の賭けを行っていた。松本竜はB氏とプロ野球を対象に賭けていたが、この仲介役は笠原だった。笠原と福田はマージャンやバカラでも賭けを行っていたことが分かった。

 巨人戦が賭けの対象になっていたかについて、大鶴委員長は「今のところ、含まれているとは認定しておりません」。笠原は野球賭博を行っていた昨年4~10月に1軍での登板があったが、現時点で八百長などの不正行為の形跡はないとの見解を示した。

 野球賭博常習者のA、B両氏のうち1人へは聞き取りを実施しており「他球団の選手に対して同じようなことをしている情報は得ていません」と、現状では巨人以外の選手に広がる可能性は認められないとした。また両氏が反社会的勢力かについては調査中とした。

 3選手は、野球賭博や野球賭博常習者との交際を禁じた野球協約第180条違反にあたり、1年または無期の失格処分が下される見込み。当初3人で構成されていた調査委は、7人の弁護士とNPB事務局職員も加わり、今後も実態解明を進める。1カ月以内に処分案と「実効性のある再発防止策」(大鶴委員長)を含めた最終報告を行う予定。ドラフト会議前日に明らかになった新たな不祥事。プロ野球界の頂点を決める日本シリーズにも、水を差す形となった。

 ◆笠原将生(かさはら・しょうき)1991年(平3)1月9日生まれ。福岡県出身。福岡工大城東から08年ドラフト5位で巨人入団。13年に4勝を挙げた。父栄一さんは元ロッテ投手。弟大芽はソフトバンク投手。191センチ、95キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸1900万円。

 ◆松本竜也(まつもと・りゅうや)1993年(平5)4月29日生まれ。香川県出身。英明(香川)では2、3年の夏に甲子園出場。11年ドラフト1位として契約金7000万円、年俸720万円で巨人入団。1軍登板なし。193センチ、90キロ。左投げ左打ち。今季推定年俸630万円。