古巣の捕手もできるようにと阪神金本監督が期待する今成亮太内野手(28)は“捕手復活”の可能性を感じさせた。10日、安芸秋季キャンプで行われた盗塁練習に捕手として参加。盗塁を阻止する立場で走者が10度走ったうち、実に8度までアウトにするあざやかなスローイングを披露した。

 伊藤隼、荒木、上本と俊足の選手を次々に刺した。島本の投球を受け素早く二塁へ送球。梅野、小豆畑ら本職の捕手に交じっても違和感はまったくなかった。

 「思ったよりはできたという感じです。ストライク送球ができました。でもゲームの中でのことじゃないんで。走ってくると分かっている練習でのことなんで準備ができますからね。実戦でもできるように準備はしておきたいです」

 かつて捕手だった時代を知る山田2軍バッテリーコーチもこの動きに目を丸くし、うなずきながら、こう話した。「(捕手だった)3年前より断然よくなっている。三塁手をやったことで送球が安定した面もあるのでは。使えるメドが立てばチームのプラスになる。次のクールはブルペンにも入ってもらう」。

 打撃のうまさは現在の1軍選手でも折り紙付きだ。捕手2人制で臨んだ試合でアクシデントがあった場合に捕手もできるようにしてほしいという指揮官の狙い。しかし、この日の動きを見る限りでは捕手そのものとしての可能性も十分、感じさせた。【編集委員・高原寿夫】

 ▼今成は捕手として通算55試合に出場し、うち16試合で先発。阪神移籍後は計39試合で、12年36試合(先発12試合)13年3試合(先発なし)。捕手としての最新の出場は、13年7月13日DeNA戦(甲子園)での9回の守り以来。盗塁は通算18度企図され5度刺しており、通算盗塁阻止率は2割7分8厘。