あいつには負けない-。ロッテのドラフト1位、仙台育英の平沢大河内野手(17)が27日、仙台市内のホテルで入団交渉に臨み、契約金9000万円、年俸1200万円で契約した。U18(18歳以下)日本代表のチームメートで、楽天にドラフト1位で入団する関東第一のオコエ瑠偉外野手(18)に対抗心をむき出し。オコエより先に1軍で活躍することと、打率3割、30本塁打、30盗塁以上のトリプルスリーの大きな目標を掲げた。(金額は推定)

 ロッテのユニホームに袖を通した平沢の視線が鋭くなった。オコエの話題に触れた時だ。「U18、同じ(ドラフト)1位。オコエより早く1軍に上がって活躍できれば」。地元宮城の楽天に入団するU18日本代表の良き仲間に対して、ライバル心がわき上がる。トリプルスリーを掲げているオコエに対して、平沢も「そういう選手になれれば」と、迷いなく同じビッグな目標を口にした。

 10月22日のドラフト会議で、楽天とロッテから指名された。平沢の入団交渉権はロッテが抽選で獲得。楽天は外れ1位でオコエを指名した。2人には少なからず因縁めいたものがあるが、平沢は「応援はしているので。お土産は萩の月。すすめているのは牛タン」と、オコエに仙台名物をレクチャーしているという。

 ロッテ愛もある。仙台育英の購買部にはロッテ製品の「パイの実」が販売されている。「学校でもちょくちょく食べている」と笑った。ドラフト指名後は同社製品を「買わなきゃいけないのかなと、意識するようになった」と言い、将来のロッテのCM出演には「そういう選手になれればと思う」と乗り気だった。

 名前の大河にかけて「これから名前の通り大きくなれれば」とも言った。オコエに負けない成績を残し、食べたパイの実がプロでの活躍の実になって、ロッテでの「大河ドラマ」がスタート…。平沢にはそんなストーリーが似合いそうだ。【久野朗】