Vの使者はやる気満々! 阪神は1日、来季新外国人選手としてマット・ヘイグ内野手(30=ブルージェイズ)と米ルイジアナ州で契約を結んだと発表した。1年契約で推定年俸8000万円。今季限りで退団したマートンの穴を埋める好打者と期待されるヘイグは球団発表前にタテジマのユニホームを着て自身のツイッターで“フライング発表”するなど意欲満々。早期来日も予告した。

 新助っ人はやる気に満ちていた。その表れが“フライング発表”だ。この日午前、ヘイグは自身のツイッターに「I am a Hanshin Tiger!」という文章、さらに夫人とともに阪神のユニホームを着た画像などを公開した。まだ、発表前だったため球団首脳も「そうなの…。発表できると思うけど…」と苦笑い。その後、午後になって広報を通じて発表された。さらに本人が球団を通じて出したコメントにも喜びがあふれていた。

 「以前から日本の野球にも興味を持っていましたし今日ここに、阪神タイガースと契約できたことを、大変幸せに思います。しっかりと身体を作り、早めに来日してキャンプに備えたいと思います。ファンのみなさん、応援よろしくお願いします」

 日本野球への挑戦を楽しむとともに、外国人選手に対しての懸案材料の1つである来日のタイミングについて「早めに来日したい」と話しているのだ。まだ、実際のプレーを披露してはいないものの、日本球界への超積極的な反応は“優良助っ人”の雰囲気が漂う。

 関係者はヘイグの持ち味についてこう語る。

 「フリースインガー(大振り)ではない。三振はそれほどしないだろう。マートンのようにバットコントロールがうまく、配球を読むというか。クレバーな打者だ」

 今オフ、中心打者として6年間も活躍したマートンが退団。日本球界でもトップの安打製造機として活躍していた前任者の穴を埋める助っ人を探していただけに同タイプのヘイグにマートン2世の期待がかかる。マートンは時に繊細なメンタル面が裏目に出ることもあったが、関係者はヘイグは野球に取り組む姿勢や、精神面の安定も含めて日本野球に順応しやすいのではないかと予想している。

 今季はメジャー10試合に出場して打率2割5分。ただ、ブルージェイズ傘下3Aでは136試合に出場し、打率3割3分8厘、11本塁打、92打点を挙げ、インターナショナルリーグMVPにも輝いた。堅実かつパワフルな打撃の他に、守備では一塁、三塁の他に外野もこなせるという万能性が売り。猛虎は今季、三塁のレギュラーが固定できないという課題を抱えていただけに、主戦場は三塁になりそうだ。

 早くも海の向こうからタテジマの一員となる意欲を伝えてきた。金本阪神にふさわしい超積極的な助っ人が加わった。【鈴木忠平】

<マット・ヘイグ:アラカルト>

 ◆生まれ 1985年8月20日、米国ワシントン州生まれ。

 ◆球歴 ケントウッド高を経て、ワシントン大在学中の07年ドラフト11巡目でインディアンスに指名されるが、契約せず。オクラホマ州立大に移り、翌08年のドラフト9巡目でパイレーツと契約。

 ◆デビュー 12年4月7日、パイレーツのスタメン5番・一塁としてフィリーズ戦でメジャー初出場。3打数ノーヒット。翌8日の同カードで初安打。

 ◆移籍 14年8月にブルージェイズ傘下へ移籍。15年11月に解雇。

 ◆趣味 本人のツイッターによると、かなりのゲームマニア。お気に入りは「クラッシュ・オブ・クラン」。好きな食べ物は、メキシコ料理のグアカモーレ(アボカドをつぶして作った濃いソース)。

 ◆新婚 エリカ夫人と今オフに結婚。

 ◆サイズ 191センチ、102キロ。右投げ右打ち。