魅せる男になるぞ~。中日ドラフト1位の東海大相模・小笠原慎之介投手(18)が5日、名古屋を初めて訪れ、東海テレビの情報番組「ドラHOT+」に生出演。通算300勝など大きな目標を掲げる中で、かつて阪神や日本ハムで活躍した新庄剛志のように1人でファンを引きつけられる選手を目指すと明かした。

 初めての名古屋。初めてのスタジオ生出演。となりには中日の大先輩、立浪和義さん…。甲子園優勝を経験した黄金ルーキーも勝手の違う1日に、さすがにぐったり。出番を終えて控室に戻ると、いつもの落ち着きを取り戻した。笑顔で理想の選手像を語った。

 「お客さんを魅了するような選手になりたいです。日本ハムにいた新庄さんはパフォーマンスがニュースになっていましたが、プレーで魅了する選手だった。僕も中日ファンだけじゃなく、小笠原が投げるから見に行きたいと思われるような選手になりたい」

 新庄氏は外野手。目立ちたがりとはいえない小笠原とはキャラも似通っていないが、あれこそが真のプロの姿と少年期の小笠原は思っていた。日本ハムファンではなかったが自然とテレビの中の新庄氏のプレーを目で追いかけていた。

 日本ハムでは試合前シートノックでかぶりものを着けたり、球宴での本盗や個性的な言動で、野球に興味のない人の目もグラウンドに引きつけた。一方でメジャーで日本人初の4番を打ち、ワールドシリーズに出場。強肩を誇る守備でも日米のファンを沸かせた。何より、勝利への執念に燃えていた。パフォーマンスも含め、イチローとは違う形で球界を席巻した、まれなスターだった。

 子どもの頃に与えられた感動を今度は自分が返す番だ。小笠原は具体的な目標には1年目から活躍しての「新人王」を挙げる。ただ目指す先はもっと大きい。ドラフトで指名されて以来、「ドラゴンズを代表する投手になりたい」と何度も口にしてきた。その延長が、新庄氏のような存在感のある選手なのだ。

 今年の春からグラブの中に「SUN」の刺しゅうを入れた。思いはもちろん「太陽のように一番輝きたい」。日本中の、いや世界中の人たちを振り向かせるような輝く未来を、自ら描いていく。【柏原誠】