努力の天才と呼ばれた名バットマンが、指導者として東北に帰ってくる。1月に現役引退を発表した前オリックスの鉄平外野手(33)が、古巣楽天でベースボールスクールのジュニアコーチに就任することが15日、分かった。就任は3月1日付の予定。近日中に仙台市内で会見を行う。

 独特な打撃フォームから、卓越したバットコントロールで広角に安打を量産した。09年には打率3割2分7厘、12本塁打、76打点の活躍で初の首位打者を獲得。チームを2位に導き、球団初のクライマックスシリーズ進出に大きく貢献した。東日本大震災が発生した11年は主将に就任。グラウンドの内外で、激動のチームを支え続けた。

 昨年10月にオリックスから戦力外通告。以降は国内球団のテストを希望し、千葉・館山で前楽天の西武渡辺らとトレーニングを続けてきた。最終的に入団テストが実現せず引退を決めたが、東北の功労者の元には、古巣から新たな道へのオファーが届いた。

 球団と数度の話し合いを行った末に、仙台行きを快諾。今後は元同僚で新任の西村弥、永井怜コーチらと供に、指導者として「第2の鉄平」を育てていく。