楽天ドラフト2位ルーキーの吉持亮汰内野手(22=大商大)が29日、楽天イーグルス利府球場で行われたイースタン・リーグのDeNA戦に「1番遊撃」で先発出場。4打数3安打1盗塁3得点と躍動した。オープン戦では1軍にフル帯同だったが、23日の開幕1軍登録からは漏れて、26日のファーム巨人戦から合流。目下、3試合連続安打で調子を上げており、初の1軍昇格に向けて猛アピールを続ける。

 茂木待ってろよ! 吉持が3安打猛打賞だ! 3回2死で放った右前打を皮切りに4回と6回には左方向に引っ張って広角に打ち分けた。6回には50メートル5秒7の快足を飛ばして二盗に成功した。

 「タイミングがつかめてない。内容が悪かった。結果的に安打になっただけ。まだ納得いってない」

 3安打も素直に喜べない理由があった。同じ大卒新人の茂木(早大)が開幕から「6番遊撃」で4試合連続先発しており、既に3安打を放っている。同期の活躍に後塵(こうじん)を拝す形となった吉持は「受け止めないといけない現実。下でしっかりやってこいという意味だと思う。1軍で活躍するには何が必要か探しているところ」と淡々と話した。

 自らの課題は分析済みだ。「フォームがバラバラ。タイミングを速くとって力強い打球がいくようにしないと」。吉持には大商大時代から続けている日課がある。今でも毎日、自分の打席の映像を見て研究を続ける。「今は足の上げ方が全然しっかりしてない。今日も映像見て、明日以降につなげていきたい」と試行錯誤を繰り返している。

 ファーム合流3試合で13打数5安打と調子を上げ始めた。平石洋介2軍監督(35)は「2軍に来たときは打撃の形がおかしくなっていた。ちょっとずつよくなっている」と太鼓判を押した。吉持も「今はここでしっかり自信をつけて、1軍で活躍したい」。時間はまだある。2軍でたっぷり汗を流して、1軍への道をたぐり寄せる。【高橋洋平】