どこまで苦しむのか。ソフトバンクが優勝マジック点灯に王手をかけた試合で7連敗を喫した。2点リードの9回、抑えのデニス・サファテ投手(35)がまさかの逆転を許しサヨナラ負け。2位日本ハムも敗れて0・5ゲーム差は変わらず、今日1日もマジック点灯の可能性はある。8度目こそ、3連覇へのカウントダウンを始める。

 まさかの打球が左中間に伸びた。サファテが西武森に逆転サヨナラの二塁打を浴びた。3連覇への優勝マジック点灯まであとアウト1つ。目前に迫りながらも、まさかの悪夢だ。7度目の挑戦も失敗した。

 「自分も完璧ではない。相手にやられた。いい球もあったが、見逃されたりファウルされたり。今日は良くない日だった」

 右足を負傷してから、初の連投。直球は150キロ以上を計測したが、西武打線にことごとく捉えられた。痛恨の1敗は今後に大きな不安も残した。

 チームにとっても、ダメージとなるサヨナラ負けだ。手負いの内川を中心に、打線は13安打で7得点。それでも逃げ切れない。救援した五十嵐、森も失点し、西武に勢いを与えてしまった。工藤監督はそれでもかばった。「投手だから、打たれることもある。打たれない投手は世の中にいない。うまくいかない時もある」。就任以来初の月間負け越しとなった8月は悪夢の連続だった。最後の場面も裏目に出た。森を2ストライクに追い込んだ後、外野に前進守備を指示。一塁走者の生還を防ごうとした。しかし皮肉にも、打球は左中間を深々と破った。

 優勝マジック点灯のかかった試合で7連敗。それでも日本ハムが大敗し、今日1日に8度目のチャンスが訪れる。首位から陥落したわけでもない。工藤監督はあえて前向きな言葉を並べた。「9回には江川がいい走塁を見せてくれた。打つこと、走塁はいい状態だ。投手は点をやっちゃいけないと思うのではなく、1点ぐらいは…の気持ちで投げてくれたら」。強力打線が復活したのは、プラス材料だ。月も変われば、流れも変わる。マジック点灯で呪縛から解き放たれる時は来る。【田口真一郎】

 ▼ソフトバンクは今季8度目のサヨナラ負けで、M点灯に7度目の挑戦も失敗。サヨナラ打を浴びたサファテは今季0勝7敗38Sとなり、外国人投手の開幕7連敗は69年バッキー(近鉄)に並ぶワースト記録。バッキーの7連敗はすべて先発だったが、サファテはオール救援で開幕7連敗の珍しい記録をつくった。なお、日本ハムも敗れたため、ソフトバンクは今日8度目のM挑戦となる。ソフトバンクが西武戦に●か△、日本ハムが楽天戦に○でM21が点灯する。