全日本大学野球連盟と日本高野連は6日、20日のドラフト会議でプロ入りを希望する選手に提出を義務付けたプロ野球志望届の提出期間を締め切った。大学生はドラフト1位競合必至の創価大・田中正義投手(4年=創価)らが追加されて計111人。高校生は105人で、6日時点で計216人が発表された。神奈川大の浜口遥大投手(4年=三養基)は、最速151キロで大学NO・1左腕の呼び声が高い。好投手がそろう中、ドラフト1位候補に挙がる即戦力だ。

 中学で野球をやめようとしていた浜口が、ドラフト1位候補として運命の日を迎える。神奈川大2年時に最速150キロを計測し、全国大学選手権でブレーク。準優勝に導き、大学日本代表にも名を連ねた。「中2まで試合に出られなくて、高校も勉強で入った。地元の友達には『全国の決勝で投げてたの、おまえだよな?』と言われたし、今の自分は誰も想像してなかったです」と苦笑いする。

 強力なライバルがいるほど燃える性格が、成長を加速させた。大学入学時も「自分が一番下だと思った」と、練習で手を抜かなかった。2年春に全国大会と代表を経験すると「(田中)正義とかを見て、数段上の同級生がいると分かった。やる気が出た」。神奈川大・古川祐一監督(47)も「大きな大会になるほど良くなる」と話す度胸もプロ向きだ。

 173センチと上背はないが、最速151キロの直球が武器。DeNA吉田スカウト部長は「左であのスピードと球威は魅力」と評価する。さらに大学日本代表のメンバーが「止まる」と絶賛するチェンジアップを織り交ぜ、三振の山を築いてきた。今年はスライダーとフォークにも磨きをかけ、先発、抑えとフル回転する。

 好投手がそろうドラフト。浜口は「外れ1位」の目玉か、抽選を嫌い単独指名に踏み切る球団が現れるか。故障知らずの左腕は「左投げということしか周りに勝っている部分はないけど、プロでもたくさん投げて勝利に導きたい」と目を輝かせている。【鹿野雄太】

 ◆浜口遥大(はまぐち・はるひろ)1995年(平7)3月16日、佐賀・基山町生まれ。小1から基肄城(きいじょう)タイガースで野球を始め、5年時から投手。基山中では軟式野球部に所属。三養基では1年夏からベンチ入りし、2年秋からエース。甲子園出場経験なし。神奈川大では1年春からリーグ戦登板。2年春にリーグ優勝と大学選手権準優勝に貢献し、大学日本代表に選出された。左投げ左打ち。173センチ、80キロ。家族は両親と兄2人。