ドラフト候補の立大・佐藤拓也外野手(4年=浦和学院)が史上32人目となる通算100安打を達成し、チームも東大に快勝して3つ目の勝ち点を挙げた。6回に二塁打を放ち、大台に乗せた。この日は3安打し101安打まで伸ばした。田村伊知郎投手(4年=報徳学園)は完封で今季4勝目(通算10勝)。

 二塁を陥れた佐藤拓が塁上でニッコリ笑った。6回無死、外角の速球を捉えた打球が左翼の頭上を越え、通算100安打とした直後だ。「入学のときからの目標だったんでうれしい。相手は緩い球で打たせてとる投手。左中間をイメージしていました」。試合後も笑顔が続いた。

 残り13安打で迎えた最後のシーズンを一気に突っ走る。連日の3安打。32打数14安打とし、打率4割3分8厘はリーグ2位に浮上した。「意識しないよう、チームのためと思ってやってきた。力まずに打てています」。1番打者として、個人記録より出塁を考えてきた。今季の出塁率は5割2分6厘もある。

 浦和学院時代には甲子園のマウンドに立ったが、入学後は自ら野手に絞った。「上を目指すには、打つ方に自信があったんで。投手はきっぱりとあきらめました」。もっとも2年秋から伸び悩み、シーズン10安打がやっと。今春も13安打で2割5分5厘だった。「うまくいかないとすぐカッカするんで」。今、帽子の庇(ひさし)の裏にこう書き込んでいる。「心は熱く、頭は冷静に」。

 今季の14安打中、二塁打が5本、三塁打が2本もある。「広角に打ってライナーで外野を抜ける打球が持ち味です」と佐藤拓。「一流の証し」である100安打を達成して、20日のドラフト会議を待つ。【米谷輝昭】

 ◆佐藤拓也(さとう・たくや)1994年(平6)8月12日、茨城県生まれ。7歳で野球を始め鹿島中では軟式野球部に所属。浦和学院(埼玉)では甲子園に3度出場。投手で1番としても活躍した。立大では1年春にリーグ戦初出場。2年から3年連続で大学日本代表に選出された。173センチ、76キロ。右投げ左打ち。