中日は20日、落合博満ゼネラルマネジャー(GM=63)が契約切れとなる来年1月限りで退団すると発表した。この日の球団取締役会で承認された。後任のGMは置かない。編成面でも手腕を発揮している森繁和監督(62)を軸にした新体制で巻き返しをはかる。

 13年10月に球団初のGMに就任したが、3年連続Bクラスに低迷。白井文吾オーナー(88=中日新聞社会長)はこの日、愛知県内で取材に応じ、落合GM体制について「長持ちしないと思っていた。社内外の問題もある。内部で反対している人もいる」と話した。

 8月に谷繁元信監督(46)を途中解任した後、GMの責任論も噴出。球団に脅迫状も届くなど、批判の声が高まった。オーナーもGMの続投が難しい見通しを語っていた。関係者によると、落合GMも早くから責任を取る覚悟を固めていたという。この日の取締役会を前に、互いに契約更新の意思がないことを確認し、最終結論に至った。

 04年から11年までの8年間、監督としてリーグ優勝4度、日本一1度と抜群の成績を残した。13年10月にオーナーから直接要請を受けて復帰。顧問役を打診されたが自らGM職を提案し、推定年俸8000万円で就任。ドラフトを含む編成全般、球団運営のほとんどを取り仕切ってきた。だが、監督時代とは打って変わって成績は残せなかった。

 白井オーナーは評価について、「詳しいことは分からない。真相は分からない」と言葉を濁した。栄光の監督時代から、天国と地獄を見た中日の落合時代が終わりを告げる。