立ってみてもすごい! 阪神金本知憲監督(48)が9日、ドラフト2位小野泰己投手(22=富士大)のブルペン投球時に今季初めて打席で構えた。ルーキーの球筋を間近で確かめ、「火の玉」ストレートで一時代を築いた藤川球児を引き合いに出して絶賛した。小野は22日の紅白戦にも実戦デビュー。「War is over」どころか、先発ローテーション6番手争いが熱くなる一方だ。

 ネット越しにブルペン投球を見ていた金本監督が、突如として歩み出た。ノックバットを手に、小野が投じる左打席で構える。1球、また1球。現役さながらのオーラを発しながら、ルーキーの直球を見つめる。「オオー伸びるな」。力のこもった1球に思わずうなずく。計19球の全力投球を見届けると、最大級に持ち上げた。

 金本監督 低めは浮き上がってくる感がある。球質的には球児に近い感じじゃないかな。アウトローなんか、冗談抜きで浮き上がってくる。あの感覚がよかった。これは楽しみよ。

 新人右腕の例えに用いたのは、レジェンド右腕、藤川球児だ。「火の玉ストレート」で数々の三振を奪い、通算223セーブを積み重ねてきた男と同等レベルの直球だと評する。キャンプ前から「藤川さんのような直球を投げるのが目標」と語っていた小野だけに、これ以上の褒め言葉はなかった。