一方でカープの4番に強い思い入れがあるのも事実だ。幼少期から赤い帽子をかぶり旧広島市民球場に通って「4番・山本浩二」に声をからした。入団後は若くして4番に座るも結果が伴わず、涙にくれたこともある。簡単には譲らない。今、広島の頼れる4番はやはり「新井さん」だ。前日11日に鈴木を4番に据えた緒方監督も「こういう打撃を見せられたらね。まだまだ誠也は座れんわね」と目を細めた。チームは引き分けを挟んで9連勝。4カード連続の勝ち越しを決めた。どっしり座る40歳の存在感は、半端ではない。【池本泰尚】

 ▼40歳の新井が阪神時代の13年5月7日巨人戦以来となる2打席連続本塁打。広島の40代選手が1試合2本塁打は、87年6月14日中日戦で衣笠(40歳4カ月)が2打席連発して以来、30年ぶり2人目だ。この試合はエルドレッドも2打席連発。広島で1試合に2人が2打席連続本塁打は、92年7月26日大洋戦で西田が1、3回、町田が6、7回に記録して以来、25年ぶり。巨人戦では65年5月11日に興津が3、4、5回に3打席、藤井が3、4回に2打席連続で打って以来球団史上2度目になる。