西武大石達也投手(28)が好リリーフで、9回逆転への流れをつくった。

 7回2失点と力投した先発菊池の後を受け、8回裏から登板。先頭の井口を2ストライクから遊ゴロ、続く井上を2ストライクから二ゴロと3球ずつで仕留めると、3人目の細谷も1ボール2ストライクからフォークで三振に取った。

 わずか10球。時間にして3分45秒で、ロッテ打線を3者凡退させた。辻監督は「リズムがいいから、流れが来る。それが9回の攻撃につながった」と言及。9回表のメヒアの2ランによる逆転劇は、大石の好投あってのものだと絶賛した。

 大石は12日楽天戦でも、先発多和田の乱調を受け、4回無死一、二塁のピンチで登板。絶好調のペゲーロを二ゴロ併殺、ウィーラーを三振に打ち取った。

 窮地を無失点で乗り切ったことで、チームはその後逆転。大石に勝ち星がついていた。2試合連続の勝利投手は「とにかくラッキーです」と謙遜するが、土肥投手コーチは「テンポがとてもよく、安定感もあるので、自然と試合の流れを引き寄せてくれる」と高く評価した。

 同コーチはまた「8回はもし左打者からの打順であれば、武隈で行く予定でした」とも話した。こちらもこれまで4試合に登板して被安打3、無失点。大石同様、テンポのいい投球で試合の流れを西武に引き寄せてきた。

 2人の共通点はキレのある直球。スピードガンの数値は毎時140キロ程度だが、強いスピンが打者の手元での伸びを生み、詰まった当たりや空振りを頻発させる。大石はフォーク、武隈はチェンジアップとの相乗効果もあり、終始ストライクゾーン内で勝負ができる。

 それが少ない球数、短い時間での好リリーフにつながっている。打てそうで打てない左右の魔直球コンビが、今季は逆転勝利への水先案内人になる。