失った時間を取り戻すように打って、走る。2点リードを許した1回2死三塁で右前タイムリー。さらに次打者の宮崎の右越え二塁打に一塁から激走した。三塁ベースを右足で蹴ったところで顔を上げた。送球を確認しながら、いけると踏んでホームへ一直線。最後は滑り込みながら左手でタッチして同点のホームを陥れた。先頭打者となった6回には、今季3度目の猛打賞となる中越え二塁打を放ち、勝ち越し走者として生還。躍動する姿に仲間も呼応し9得点を奪い快勝した。大暴れの筒香は一言。「体は問題ないです」。その言葉に疑いの余地はない。【栗田成芳】

 ◆トラックマン デンマークのトラックマン社が03年に開発した弾道測定器。ミサイル追尾のレーダー技術を応用して球速、球の回転数、回転角度、打球の角度や飛距離などを正確に計測する。ゴルフのツアーでは公式計測器として採用され、大リーグでは全30球団が使用。日本では楽天がいち早く導入。セ・リーグではDeNAが使って16年CS進出につなげた。

 ◆打球の速度 大リーグでは15年に「スタットキャスト」システムが全30球場に導入された。レーダーとビデオ分析が合体したもので、ボールの速度から野手の動きまで、グラウンド上のものすべてを追跡し、瞬時に球の速度や走った距離などを測定する(現在このシステムの中で投手の球速を測るのにトラックマンが使用されている)。17年シーズンで一番速い打球を放ったのはヤンキースの新人アーロン・ジャッジ外野手(25)。4月28日のオリオールズ戦で放った本塁打の速度が119・4マイル(約192キロ)と測定された。ちなみにその本塁打の飛距離は435フィート(約133メートル)だった。