中学2年で左打ちに転向。進んだ福岡工大城東では2年秋に、あと1勝でセンバツのところで失策を犯して負けた。大型内野手で注目されて迎えたドラフトは、恒例の指名を伝える校内放送が、まさかのトラブル。「カープ、1位な」と放送ではなく担任教師から伝えられた逸話も残る。

 何かとツイていない日々にはもうおさらばだ。11日の球宴会見で「うちで今、売り出し中の安部です。ものすごく良い形で活躍してくれています」と名指しで紹介した緒方監督も「今からが勝負。ただそれだけの数字が残っているということは、彼が目指す打撃を積み重ねてきたということ。このまま続けてほしいね」とハッパを掛けた。チームは3連勝で首位阪神にゲーム差なしと肉薄。覇気が安部を、広島を変える。【池本泰尚】

 ◆安部友裕(あべ・ともひろ)1989年(平元)6月24日、福岡県北九州市生まれ。福岡工大城東2年夏、甲子園でベンチ入り。07年高校生ドラフト1巡目で広島入団。4年目の11年6月6日ソフトバンク戦で1軍初出場。昨季は自己最多の115試合に出場した。通算323試合、725打数197安打(打率2割7分2厘)、8本塁打、67打点。181センチ、81キロ、右投げ左打ち。今季推定年俸2100万円。

 ▼広島が巨人戦に5連勝。このカードで同一シーズンに5連勝以上は06年6~10回戦以来、11年ぶりだ。これで今季の巨人戦は○○○●○○○○○の8勝1敗。巨人戦で9回戦までに8勝したのは、

 61年中  日○○●○○○○○○

 73年中  日●○○○○○○○○

 97年ヤクルト○○●○○○○○○

に次いで4度目となり、広島は初めて。9回戦を終わって、巨人が打率2割1分8厘の28得点に対し、広島は打率2割9分6厘の63得点と、広島が強力打線で巨人を圧倒している。