巨人の大型連敗が止まらない。楽天戦で7試合連続2ケタ奪三振のプロ野球記録をかけた先発則本と対戦した。4回に村田修一内野手(36)がチーム14戦ぶりとなる2号2ランで先制。プロ初先発のルーキー池田駿投手(24)も5回無失点の好投を見せたが、6回に2番手田原が3球で同点に追いつかれ、続く森福も勝ち越し適時打を浴びた。打線も則本に12三振を奪われ、快挙を目前で決められた。高橋監督は就任から2年連続で7連敗を喫し、苦境から抜け出せない。

 悪循環を象徴する結末だった。1点差を追う9回無死一、二塁。長野が真ん中直球にバントを空振りし、飛び出した二塁走者の重信が二塁で刺された。ラストチャンスはついえた。長野は「しっかり送れなかった僕のせいで負けた」と言葉を絞り出した。球団の歴代監督では長嶋茂雄に続き2年連続で7連敗を喫した高橋監督は「形はつくったが(走者の)判断がね。どっちもどっちだけど空振りした方が悪い」と断じた。

 難敵に勝つならワンチャンスに懸けるしかなかった。初回から最速156キロの剛速球と落差あるフォークで三振記録に挑んできた則本の攻略は容易ではない。4回1死一塁が千載一遇だった。失投の甘いスライダーを村田が左翼席へ。出場減に悩むベテランにとっても4月12日以来、チームにとっても5月16日以来、待望の1発だった。前日に指揮官が本塁打に「それが一番効果的だけど、言って打てるほど簡単ではない」と切に望んでいたが、則本から実現する理想的展開だった。

 6回に暗転した。ピンチを背負いながら5回まで無失点に抑えたルーキー池田を田原にスイッチ。だが、わずか3球で安打と2ランを浴び、同点。続く森福が岡島に適時三塁打を許した。打線も則本から、もうワンチャンスは来なかった。8回に3連続三振で計12三振をかっさらわれた。

 大敗した最初の2戦とは違い、スコアは1点差だった。だが、ミスもいまだに散見される。連敗中だからこそ焦りが硬さを生む。悪循環を断ち切る、王道の野球を取り戻したい。【広重竜太郎】