連日の劣勢に、指揮官は1つの大きな決断を下した。3回の攻撃、無死一塁で、まだ打席に立っていなかった小林に代打相川を送った。スタンドがどよめく。就任2年、正捕手に近い形として起用を続ける小林を初めて序盤で退けた。「ここ数試合、点の取られ方が悪い。打てないなら守らなくちゃいけない」とリード面を指摘。小林は「序盤で試合が決まったのは僕の責任でもある。悔しいが打てていないのも現実。また出られるように頑張ります」と決断を受け止めた。
やられっぱなしではなかった。反骨心も示した。6回無死満塁。4番村田が松葉の内角直球に巧みに左肘を抜き、左翼席にグランドスラムをたたき込んだ。3戦連発の350号。男と形容されるスラッガーは交流戦前の控えからはい上がった。仲間と厚い胸をぶつけあい、ほえた。ただ気概は見せたが、スコアをひっくり返すには至らなかった。
データは、しょせんデータでしかない。机上の計算で戦っているわけではない。村田は「何とかして連敗を止めないと次に進めない。苦しいけど、みんなで乗り越えないと」と目を見開いた。負の歴史を積み重ねるのか、100%のデータを自らの力で打ち砕くのか。巨人のプライドが今、問われる。【広重竜太郎】
▼巨人が5月25日阪神戦から9連敗。巨人の9連敗以上は6月に10連敗、7月に9連敗した06年以来、11年ぶり5度目。巨人は94年に8連敗で優勝しているが、9連敗したシーズンはすべてV逸。他球団を見ても9連敗してVは92、15年のヤクルトしかない。この日はT-岡田(オリックス)に3ランを打たれ、これで巨人投手陣の被本塁打は10試合連続。連敗前は43試合で30本だった被本塁打が、連敗中は9試合で13本と増えている。
▼通算350本塁打=村田(巨人) 3日のオリックス2回戦(東京ドーム)の6回、松葉から今季4号を放って達成。プロ野球29人目。初本塁打は横浜時代の03年4月2日の巨人2回戦(東京ドーム)で高橋尚から。村田は横浜時代に251本打っており、巨人100号へあと1本。




