新「神ってる」誕生!!広島サビエル・バティスタ内野手(25)が6回に代打で登場。左中間席に2号2ランを運び、勝利を決定づけた。史上2人目となる初打席から2打席連続代打本塁打でチームを連勝に導いた。明日6日からはDH制のあるパ・リーグ本拠での6連戦。出場機会が増す大砲への期待は膨らむばかりだ。

 今年の交流戦も、広島は「神ってる」ようだ。新星バティスタが、セ・リーグ首位を走るチームを再加速させた。3点リードの6回だった。2死一塁から代打で出番が来た。前日3日に初打席代打アーチの衝撃デビューを飾ったばかり。浮いたチェンジアップを仕留めると、打球は左中間席上段に吸い込まれた。試合を決定づける2号2ラン。助っ人としては初の初打席から代打連続アーチに「やっぱりうれしい。外国人で初ということで、めちゃうれしい」と笑った。

 フロックではない。前日は速球打ち。この日、ロッテバッテリーはチェンジアップを多投してきた。3ボールから中途半端な空振り。「ボール球のチェンジアップに手を出してしまったので、もう1球来ると思った」。狙い通りの軌道に、バットを出すだけだった。

 一昨年秋に練習生として来日した。春も秋も、キャンプで特打や特守の毎日だった。米国ではルーキーリーグ止まりだったが、日本での成功を信じて汗を流してきた。そして、驚異の2打席連続弾。ただ、これで明るい未来が待っているかといえば、安泰ではない。9日には大黒柱ジョンソンが復帰する。ブレイシアとの外国人枠生き残りをかけた戦いがある。緒方監督は言う。「昨日、今日と最高の結果を出してくれて、ファンの心をつかんだ。ワンチャンスを生かしてくれたら、彼にとっても出場する機会も増えてくる」。DH制がある明日6日からの1週間で結果を残せば、15本塁打エルドレッド、ベテラン新井との併用プランの枠にまで入ってきそうな勢いだ。

 チームはリーグ戦の首位をキープ。昨年の交流戦は鈴木が2試合連続サヨナラアーチを放って一気にブレークしたが、その衝撃とダブる。真っ赤なスタンドも総立ちとなった。「いいチャンスなので、いいパフォーマンスを出したい」(バティスタ)。17年度版「神ってる」男が、リーグ連覇への原動力となるかもしれない。【前原淳】

 ▼バティスタが3日のプロ初打席に続いて2打席目も本塁打。プロ入り2打席連続本塁打は75年山村(太平洋)84年村上(阪急)に次いで史上3人目。セ・リーグと外国人選手では初のプロ2打席連発だ。バティスタは2打席とも代打で、プロ初打席から2打席連続代打本塁打は村上以来2人目になる。3日は見逃し、ボール、ボール後の4球目、この日はボール、ボール、ボール、空振り後の5球目を打っており、バットに当たった2球が両方とも本塁打になった。山村の3打席目は遊ゴロ、村上は三振だったが、バティスタの3打席目はどうなるか。