「本塁踏み忘れ男」が半日で打ち直した! オリックスの新外国人クリス・マレーロ外野手(28)が、正真正銘の来日1号先制ソロを放った。前日9日は本塁踏み忘れで本塁打が取り消される衝撃デビュー。この日は左足と右足で入念にホームを踏んだ。「ベース踏み忘れ」の次戦での本塁打は1958年(昭33)の巨人長嶋茂雄以来2人目。ミスター級の1発に導かれたチームは逆転勝ちを収め、交流戦単独首位に返り咲いた。

 一塁側ベンチのオリックスナインが、みんな指さしていた。「踏めよ!」。マレーロは本塁手前でスピードを緩めると、確認しながらまず左足。そして右足をそろえ、両足でホームに乗っかった。今度こそ本塁打が成立だ。球団イベント「オリ達デー」で盛り上がる本拠地は、助っ人がベースを踏む姿でさらに沸いた。

 初めてのお立ち台ながらすっかり人気者だった。「本塁打を打てて、勝利に貢献できて良かった。ファンの方は私がきっちりホームベースを踏むのを確認していたと思います」。ジョークを交えた受け答えに、大きな拍手が降り注いだ。

 1回は中日ドラフト1位新人柳の直球に空振り三振。修正した4回、同じ直球を左中間5階席まで届けた。福良監督も「本当の1発ですね。当たったらあそこまで飛ばすパワーはある」とうなった。四球出塁した8回は中島の二塁打で、二塁から逆転のホームイン。こちらもしっかりベースを踏んだ。